お焼香のマナー
一般的に焼香と呼ばれているものは仏教のみの儀式ですが、各宗教にも焼香と同じように儀式があり、
キリスト教では「献花」、神道では「玉串奉奠」と呼ばれ、それぞれに大きな意味があります。
その意味や作法、しきたりなどを理解しておくと慌てずにすみますね。動作にも心が込もり、故人への供養がよりいっそう高まるでしょう。
■抹香焼香の仕方
@遺族、僧侶に一礼して焼香台の前に進む。遺影に向か軽く一礼する。
A小さめの器に入った抹香を、右手の親指、人差し指、中指でつまみ、軽く頭を下げながら目の高さまでかかげる。
Bそのままつまんだ指を香炉の上に持って行き、静かにパラパラと落とす。
C一歩下がって合掌し、故人の冥福を祈ります。その場で深く一礼し、僧侶と遺族にも一礼して自分の席に戻る。
■線香焼香の仕方
@遺族、僧侶にまず一礼して焼香台に進み、さらに遺影に向かって一礼する。かるく手を合わせ、
右手で線香を1本取る。灯明に近づけて先端に火をつける。
A左手でかるく払うか、右手に持ったまま、下にスッと引いて火を消す。この時、息を吹きかけて消さないように!
息で吹き消すのは「汚れる」とされるので注意。
B香炉の中の線香につかないように、間隔をあけてそっと立てる。
C遺影に向かって合掌し、故人の冥福を祈る。2、3歩下がって僧侶、遺族へ礼をして自分の席に戻る。
■献花の仕方
キリスト教では、仏教の焼香にあたるものではなく、故人との別れをするために花を添える「献花」を行います。
キリスト教の信者でなくても参列でき、用意されたカーネーションなどをささげます。無宗教の葬儀で行われる事もあります。
ちなみにこれは日本のみの風習です。
@祭壇に進み、花の頭が右側になるように花を両手で受け取る。胸の高さに持って一礼する。
A献花台の前で、一度茎を自分の側に向け、花を献花台の方に向ける。
B時計回りに180度回転させ、茎を献花台の方に向けて両手で台の上に供える。
C一度姿勢を正して一礼し、黙祷して一歩下がる。遺族に一礼して下がる。
■玉串奉奠の仕方
神道では「玉串奉奠」が焼香の代わりです。神が宿る木と言われている榊の枝に、四手という紙片をつけた玉串を供える儀式です。
故人の霊をなぐさめ、あがめるとされています。これは弔事のみでなく、神道の拝礼では必ず行われるものです。
儀式の前には、身を清めるために、「手水の儀」があります。ひしゃくの水で、左手、右手、口の順に清め、紙で拭きます。
その後に、玉串奉奠をします。
@神官に一礼し、玉串を受け取る。右手は枝元を上から持ち、左手は葉先を下から支えて持つ。玉串は胸の高さ位で持ち、神前に進み目礼する。
A玉串案という玉串を乗せる台の前に進み、枝元を自分の方に向け、葉先を上に向ける。一礼し、玉串を時計回りに180度回転させて、左手で枝元を持ち右手は下から葉先を持つ。
B玉串の枝元を神前に向け、両手で玉串案に供える。2、3歩下がって、2礼する。
Cしのび手(音を立てずに手を打つこと)を2回し、ていねいに一礼する。もう2、3歩下がって、神官、遺族に一礼する。 |